祭り囃子と蝉時雨伝統を受け継ぐ現代の町屋
所在地/胎内市 家族構成/夫婦+子ども2人 竣工/2008年3月 構造/木造軸組工法 延床面積131.37m²(39.73坪) 1階78.49m²(23.74坪) 2階52.88m²(15.99坪)
わが家のココが好き
「祭り仲間や近所の友人に集まってもらいたいから」と、広いLDKにしたM邸。
奥様のご実家から譲り受けた古い建具や、古材を使ったこともあり、「新築なのに昔から住んでいたような懐かしさを感じます」(奥様)。
古くは街道の宿場町だった旧中条町の商店街。毎年、夏には神社の例大祭に町内が沸き返る、古き良き風習を残した町です。この商店街に生まれ育ったMさんご夫婦が建てたのは、昔からそこに立っていた 町屋を再生したような、趣のある瓦葺きの住まい。内部も土間から直接、居間に上がる、古い日本家屋のような造りになっています。
設計は古民家再生の活動をしている建築家に依頼し、施工は「祭り仲間」でもある町内の職人たちと共につくることにこだわりました。 「大工さんも建具屋さんも左官さんも町内の友人・知人たち。地域の人たちとの繋がりをこれからも大切にしていきたいから、みんなで集まれるように二間続きの座敷をリビングにしました」(ご主人)。
地域の交流が希薄になりつつある今日にあって、「祭りは子どもからお年寄りまで、一つになれる貴重な機会」とご夫婦。今年もお盆を過ぎた頃から、蝉時雨とともに、子どもたちが稽古に励む祭り囃子の音が聞こえてきます。
居間の建具を外せば、土間と一体になった大空間に。夏場は窓を開けるだけで、エアコンいらずの涼しさ。
アンティークの蔵戸を付けた玄関。羽目板張りの外壁と蔵戸がなじむ。
オリジナルの洗面台には、鏡はあえて小さなものしか付けず、朝の光を取り込む窓を開けた。
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