「広さよりも質」 永く愛せる住まいを目指して
所在地/新潟市 家族構成/夫婦+母 竣工/2003年12月 構造/木造軸組工法 延床面積94.40m²(28.50坪) 1階38.92m²(11.755坪) 2階55.48m²(16.75坪) ※ガレージ含まず
ポイント
将来的には子ども部屋にもできるよう設計したセカンドリビング。
真っ白でモダンな空間に、年代物の座卓が違和感なく溶け込んでいる。
アプローチの植栽が、外観に奥行きを与えるS邸。さりげなく配された古道具が、玄関へ向かう歩みを自然と緩やかにします。
「自分が納得できるものに囲まれて、いつまでも愛せる住まいにしたい」。家づくりを決意したご夫婦が、終始一貫して持ち続けた、S邸のテーマです。予算と坪単価から逆算して、希望通りの住まいを実現するための床面積を算出。思い切って小さな家にすることで、素材や設備・仕様に妥協しない、こだわりの家が完成しました。
「空間の繋がりを工夫することで、圧迫感のない住まいになりました。入居から6年が経った今では、これ以上広くても、それは無駄なスペースだと思えます」(ご夫婦)
ご主人のご実家で使われていた糸巻きなどの古道具が、インテリアとして空間に溶け込むように点在するS邸。違和感なく同居する新しさと古さは、時と共にますます馴染み、末永く愛されていくに違いありません。
真っ白な砂利を敷き詰め、飛び石を配した玄関。上がり框(かまち)を斜めに取ったり、階段下をディスプレースペースにするなど、省スペースの工夫をしつつ、階段の吹き抜けを利用した開放的な空間に仕上がった。
タイル張りのサニタリーには大きな鏡を設置し、視界の広がりを演出。写真奥の窓からは坪庭の緑が見える。
レトロなデザインのソファや火鉢が不思議と馴染む、カフェのようなリビング。見せる収納として造り付けた棚には、トップライトからの光が注ぐ。
2階トイレは、パウダーコーナーの役割を持たせた約3畳の空間。本来は狭くて当たり前のスペースを広く造ることで、暮らしにゆとりが生まれた。
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