中庭を囲む濡れ縁から風が抜けるコートハウス
所在地/新潟市 家族構成/夫婦+子ども2人+両親 竣工/2007年3月 構造/木造軸組工法 延床面積217.27m²(65.72坪)1階 150.36m²(45.48坪)2階 66.91m²(20.24坪)
キッチンからリビングを通って、ご両親の部屋まで伸びる濡れ縁。家族全員の生活が、この濡れ縁を通じて繋がる。
ご夫婦と2人のお子様、ご主人のご両親が2世帯で暮らすS邸。新築の際、ご家族が新居に求めたのは「空気が良く、お茶を飲みながらくつろぐような、落ち着ける家」でした。まさに、昔は当たり前だったはずの、日本家屋のイメージ。「和風住宅の機能と心地良さはそのままに、デザインは従来の『和』にとらわれてほしくなかった」と話すご主人は、あえてモダンなデザインを得意とする新鋭の建築士に設計を依頼しました。求める暮らしのイメージは伝えつつも、設計・デザインは建築士に一任。完成したS邸は、真っ白な外壁と薪ストーブの煙突が印象的な、いかにもモダンな外観を持つ住宅に仕上がりました。
しかし、ご主人は「彼(建築士)らしいデザインでありながら、そこでの暮らし方と居心地は懐かしい日本の家そのもの」と話します。濡れ縁を渡って吹き抜ける風の心地良さ、家族の距離感…。そこには、今も昔も変わらない、日本の家族の姿がありました。
大屋根の勾配そのままの天井。長く渡された梁が、ダイナミックなラインを描く。
大きな片流れの屋根を頂いたS邸の外観。モダンな全体像の中で、黒く塗装された柱と梁が和の趣を醸し出す。
中庭に面したダイニング・キッチン。キッチン背面の収納をすべて造作し、なるべく余計な物が見えないようにした。
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