吹き抜けの障子戸が漆喰の白壁を照らす家
所在地/聖籠町 家族構成/夫婦 竣工/2008年1月 構造/木造軸組工法 延床面積101.03m²(30.56坪)1階 57.97m²(17.53坪)2階 43.06m²(13.03坪)
床は無垢の越後杉、壁は漆喰など、表情豊かな自然素材をふんだんに使ったM邸。ご夫婦が「理想通り」と話す、くつろぎの空間が広がる。
以前のアパート暮らしが、「とにかくストレスだった」と話すMさんご夫婦。その頃から居心地の良い理想の家について話し合い、漆喰や土壁、無垢材など、日本家屋で昔から使われてきた自然由来の素材に興味を持ち始めたと言います。そして、家づくりを決意した時には、「自然素材に包まれた、モダンな和風の家」という明確なイメージが固まっていました。
完成したM邸は、内壁と天井の一部に手塗りの漆喰、床と天井に無垢の越後杉を使用。圧巻は、リビングの吹き抜けに設けた大きな8枚の障子戸です。「障子の持つ雰囲気が大好きで」と話すご夫婦の希望で、建具のほぼすべてを障子に。障子が太陽の光と熱を優しく拡散させることで、家中が柔らかな陽光に包まれています。伝統的な素材、建具を使いながらも、現代的な意匠を施すことで、モダンな空間に仕上げたM邸。そこには、ご夫婦が心から望んだ安らぎの時間が流れています。「居心地が良すぎて、あまり出掛けなくなりました(笑)」(ご夫婦)。
M邸のリビングを一際印象的なものにしているのが、吹き抜けに設けた大きな障子戸。夏は厳しい直射日光を遮り、明るく柔らかな光に変える。
リビングに隣接して設けた4.5畳の和室。茶室をイメージして造り上げた和室は、入り口をにじり口のように低くした。開放的なリビングと対照的に、こぢんまりとした少し暗い部屋にすることで、空間にメリハリをつけた。
外観は、街並みに自然と溶け込むようにと、グレーのガルバリウムを使った落ち着いたデザインに。「夜は、部屋の光が障子にぼんやりと映って雰囲気があります」(ご主人)。
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